ユーロドル(EUR/USD)は、世界で最も取引される通貨ペアのひとつ。
現在の相場は、米国のインフレ動向や欧州中銀の金融政策、さらには地政学リスクなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
本記事では、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つの視点から、現在のユーロドル相場を徹底解説します。
ファンダメンタルズ分析:ドルの粘りとユーロの息切れ感
🔹 米国:ドルは短期的に堅調、長期では下落圧力も
5月16日に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数は「50.8」と、過去2番目の低水準。
景気減速懸念が広がる中で注目されたのは、**1年先のインフレ期待が7.3%**という記録的な数値です。
これにより市場は「FRBが簡単には利下げできない」と判断し、ドル買いが優勢に。
とはいえ、年内にはドル安がさらに進行する(最大6%下落)という長期的な見方も根強く、今は短期のドル高と中長期のドル安シナリオが交錯している状態です。
✅ ポイント:インフレ期待の急上昇がドルを支えるが、長期的にはドル安転換も視野。
🔹 欧州:ECB利下げは最終局面、しかし回復の鈍さが重荷
欧州中央銀行(ECB)は利下げサイクルの終盤にあるとの見方が出ており、政策金利の「底打ち」感が強まっています。
ただし、ユーロ圏経済の回復ペースは緩慢であり、ドイツ経済の停滞も重荷に。
さらに、米中摩擦や中東の不安定化といった地政学リスクが「リスクオフのユーロ売り」に繋がる可能性もあります。
✅ ポイント:ECBの利下げ終了はユーロ支援材料だが、景気鈍化が上値を重くする。
テクニカル分析:1.1039ドルは節目、割れれば1.0653→1.0120も視野に
ユーロドルは現在1.116ドル付近で推移中。以下の記事のように長期的にはスイングロングを仕掛けていきたい長期足環境となっています。

ここからの押し目の下げ止まり水準(あるいはブレイクした抜け)を占う上で、フィボナッチ・リトレースメントの水準が重要なカギを握ります。
🔸 フィボナッチ分析:1.1039ドルが短期のサポート
直近の上昇トレンド(1.0120 → 1.1572)における38.2%戻しラインは1.1039ドル。
この水準は過去のレジスタンス・サポート両面で機能しており、短期トレーダーにとって意識されやすいラインです

✅ ここを維持できるかどうかが、今後の上昇継続か調整入りかの分岐点となります。私はこの価格帯で一旦下抜けし、押し目買いポジションを刈り取ってから再上昇というのが最も可能性が高いと考えています。
確かにフィボナッチ38.2%ラインは市場に意識されますが、逆に言うとそのラインを背にして押し目買いを仕掛けるトレーダーや投資家も多いので、38.2%ラインの真下に損切ラインを置いての押し目買い戦略は、ポジションを刈られる可能性も高いということを念頭に置いておかなければなりません。
🔸 下落シナリオ:1.1039ドル割れで1.0653、さらに1.0120へ
万が一このラインを下抜ける場合、次のターゲットは61.8%戻しの1.0653ドル付近。
それも明確に割るような展開になれば、最終的な上昇起点である1.0120ドルへの全戻しも現実味を帯びてきます。
逆に、1.1039ドルを守る、あるいは下ひげを付けて再度上昇に転じれば、1.13〜1.15台の回復から高値上抜けも視野に入ります。
✅ テクニカル目線では、1.1039が攻防ライン。維持で上昇、割れで大きな調整。
今後の注目ポイントとトレード戦略
- 米インフレ期待の急上昇 → ドル短期支援
- ECBの利下げサイクル終了 → ユーロ底打ちの材料
- フィボナッチの「1.1039ドル」 → 相場分岐点として最重要ライン
1.1039ラインでの攻防を注視し、私もエントリールールに合致する条件が整えばエントリーしていきたいと思います。
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