目次
✅ 概要
近年、ビットコイン(BTC)に関するポジティブなニュースが続いています。BlackRockやFidelityなど大手金融機関によるETF流入、企業のBTC購入など、強気材料は山積みです。
しかし、それにもかかわらずビットコイン価格が思ったほど上昇しない状況が続いています。本記事では、その背景をオンチェーンデータやETF流入分析をもとに具体的かつ定量的に解説します。
🔍 価格が上がらない主な要因
1. ニュースの織り込み(Buy the rumor, sell the news)
- 市場はしばしばポジティブ材料を事前に織り込み、実際の発表後に「利確売り」が入る傾向あり。
- ETF承認時などがその代表例で、「噂で買い、事実で売る」が繰り返されます。
2. 機関投資家の買い方が静か
- ETFやOTC取引など、価格に直接インパクトを与えない方法での買いが中心。
- 価格は上がらなくても、裏側では機関の積み上げが着実に進行中。
3. マクロ経済の逆風
- FRBの金利高止まり、インフレ警戒、地政学リスクなどがリスク資産としてのBTCの上値を抑制。
- リスクオン相場への転換が見えにくい中では、機関も慎重姿勢。
4. 利益確定売りと需給の中和
- 過去に安く買った大口(クジラ)勢の利確売りがETFによる買い圧力を相殺しているケースも。
- 結果として、供給制約があっても価格上昇にはつながらない構造。
📊 最新データから見る市場の現状(2025年6月時点)
ETFフロー分析
- 6月現在、11日で110億ドル以上の資金流入(IBIT・FBTCが主導)。
- ただし日々の流入は不安定。6/21のFranklin ETFやGrayscaleはゼロ流入の日も。
オンチェーン状況
- 取引所保有BTCは史上最低水準(約2.2~2.5百万BTC)。
- これはLTH(長期保有者)や機関によるガチホ積み上げが主因。
- Funding Rateは中立~やや強気。OI(建玉)は高く、清算リスクも視野。
📉 価格停滞のテクニカル背景
- ボラティリティ低下局面にあり、方向感のない相場が続いている。
- ETF流入があっても、即時価格には反映されにくい状況。
- 上昇には「フローとセンチメントの同時好転」が必要。
✅ 今後の注目ポイント
注目領域 | 内容 |
---|---|
ETFフロー | 日次・週次でのプラス継続がカギ。特にIBIT・FBTCに注目。 |
米国金利政策 | 利下げやドル安が進めば、リスク資産全体に追い風。 |
オンチェーン動向 | 取引所保有量の減少が続くか、LTHの蓄積強化が起きるか。 |
地政学リスク | 戦争や制裁回避による市場安定がBTCにとって追い風。 |
✍️ まとめ
ビットコインは価格が停滞しているとはいえ、機関投資家の関与や現物供給の希薄化は明らかに進行しています。現在は価格に反映されにくい静かな強気相場の準備段階ともいえるでしょう。
本質的には「価格が動かないから弱い」のではなく、「動く前の溜め」をつくっている段階とも読み取れます。
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